地域の絆と希望の光を感じさせる、 池袋北口のシンボルへ。 生まれ変わった公衆トイレ

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地域の絆と希望の光を感じさせる、池袋北口のシンボルへ。生まれ変わった公衆トイレ 2022.12.01

OVERTURE

池袋の東西をつなぐ公共地下道「ウイロード」。老朽化による「暗い、汚い、怖い」イメージを払拭するため、2019年に壁一面に装飾を施す大胆な再生事業が行われました。さらに、2022年からはウイロード西口出口付近にある公衆トイレ「ウイトピア」の改修がスタート。一体感ある美しい壁画と壮大なオブジェによって、鮮やかな変身を遂げています。制作・監修を務めた美術作家・植田志保さんに、改修に込めた想いや新しい施設の特長を伺いました。

Profile 植田 志保 Shiho Ueda

美術作家。色と色の出合いによって生まれる動きを捉えた作品群『色のすること』や、対話を通して記憶や意識の奥底に潜む色を見いだす即興描画『In a Flowerscape』など、色に立脚した表現活動を幅広く行う。2019年に池袋駅公共地下道「ウイロード」の再生に参画し、公開制作・総合監修を担当。

天高く広がる大きな羽と、壁一面に描かれた鮮やかな色の渦――。

池袋駅西口でひときわ目を惹くのが、パステルカラーで彩られた公衆トイレ「ウイトピア」。設置から27年が経ち「暗くて怖い」「女性が入りづらい」といった問題を抱えていた建物を、豊島区制90周年記念事業の一環として全面的に改修。約1年に及ぶ制作期間を経て、2022年10月末に完成記念祝賀会が行われました。
ウイトピアの制作・監修を務めた美術作家・植田志保さんは、改修に込めた思いをこう語ります。

植田 「公開制作の手法を取り、1日3~4万人ほどが通るウイロードで、まちの方々と交流しながら作業を進めました。屋上のオブジェ『ひかりの羽』は、池袋『ふくろ祭り』で担がれる御神輿の上にある鳳凰からインスピレーションを得たもの。子どもたちや区民の皆さんとともに、色とりどりのロープで編み上げ地域の人々の絆や街の温もりも表現しています」

ウイトピアのテーマは、「うえを向くことができる再生へ」。トイレ内部は、ウイロードの壁面にも用いられた漆喰を使って塗装。また、エントランス・男子トイレ・女子トイレにある3つの天窓を「チャームポイント」と捉え、描画することでより一層華やかによみがえらせています。

植田 「まちとともに成長できるよう、壁に直接原画を描き込んでいることも特徴です。コピーではない『生』の作品を残すことで、大切に手入れしようと思ってもらえるのではないでしょうか」
ウイロードは現在、区民の手により清掃活動が自主的に行われています。祝賀会にはまちづくりに携わってきた区民も数多く参加。ほがらかな雰囲気の中、高野区長が祝賀会の最後を想いのこもった言葉で締めくくりました。

高野区長 「『ここを改修しなければ池袋の戦後は終わらない』と危機感を感じてきました。私が推し進めてきたまちづくりの原点はここにあります。皆さん一人ひとりの力によって悲願が叶い、まちが大きく変わってきたことに心から感謝します」

ウイトピアは新たな池袋の「再生」の象徴として、まちを彩り続けることでしょう。

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