切磋琢磨する創作活動の原点 「池袋モンパルナス」。 九十周年を機に、過去と未来を見つめる 回遊美術館とは

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切磋琢磨する創作活動の原点「池袋モンパルナス」。九十周年を機に、過去と未来を見つめる回遊美術館とは 2022.06.10

OVERTURE

昭和初期から戦後の時代。池袋西口地域には多くの芸術家が移り住み、創作活動に励んでいました。第一次大戦後、芸術の中心地となったフランス・パリのモンパルナスになぞらえ、当時の気風は「池袋モンパルナス」と呼ばれています。その精神を現代に引き継ぐアートフェスティバル「池袋モンパルナス回遊美術館」。その魅力について当イベントの実行委員長である小林俊史さんにお話を伺いました。

Profile 小林 俊史 Kobayashi Toshifumi

株式会社創発としまを平成23年に設立し、豊島区のまちづくりを考える月刊地域情報誌とっぴぃ『豊島の選択』の編集長であり、池袋モンパルナス回遊美術館の実行委員長を務める。
そのほかにも豊島区観光協会常任理事など、幅広い観点からまちの未来を考える活動を行っている。

「古き、よき新しさを探そう」——。

このコンセプトのもと、3年ぶりに5月に開催した第17回目の「池袋モンパルナス回遊美術館」。
5月12日から25日にかけて行われた、このアートフェスティバルは、池袋の駅周辺を中心に街中の50か所以上の会場で一斉に企画を展開。昭和初期から戦後にかけ、芸術家たちが集い切磋琢磨した「池袋モンパルナス」の精神を現代に引き継ぎ、「街のどこもが美術館」をキーワードにさまざまなアート展示やワークショップなどを行っています。

新進気鋭の若手アーティストの作品展示をはじめ、アート×探索イベントなど体験型のイベントも含め大盛況となりました。

小林 「一番の見どころは新進気鋭のアーティストが集まる『池袋アートギャザリング公募展(IAG)』。今年は豊島区制90周年を記念してIAG賞や区長賞に加えて、区民審査員による投票で賞を決定する区民賞を設けました」
  • 街中の「栗原画廊」をはじめ、各所でテーマにあわせた展示が行われた

  • 豊島区出身で池袋モンパルナス生粋の洋画家「尾内健治作品展」を開催

また年々アート思考の意識も高まるなか、企業人向けのIAGアートガイドツアーを行うなど、新たな試みも進め、進化を続ける当イベント。スタートのきっかけは約20年前、池袋モンパルナスを見直そう、と区民や企業、劇場、大学、ギャラリーらが一緒に動き出したことでした。
小林さんもイベント立ち上げ初期から携わっていたメンバーの1人です。

小林 「池袋モンパルナスの良さは、『仲間と切磋琢磨して成長しよう』という気風にあります。ジャンルもスタイルも自由、メジャーやマイナーも関係ない。自分の理想を追いかけ、自分が良いと思うものを発信する、そんな刺激とまちに息づく文化の魂が、このまちにはあります」
池袋は、自由な発想を肯定する、クリエイターの仲間たちが集うまち。としまでアートを発信することにも意義がある、と小林さんは語ります。今年は10月~11月ごろにも、回遊美術館の開催が予定されています。

文化の風薫るまち、豊島区。
今日もまた、池袋の土地から新たな芸術家が生まれていくことでしょう。

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