池袋駅のすぐ近くにある 重要文化財「自由学園明日館」。 文化発信の「場」として さらに深まる、その魅力に迫る

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池袋駅のすぐ近くにある重要文化財「自由学園明日館」。文化発信の「場」としてさらに深まる、その魅力に迫る 2022.02.24

OVERTURE

1921年、自由学園明日館は、学園の校舎として近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト氏とその高弟・遠藤新氏により設計されました。1997年に国の重要文化財の指定を受けてからは、広く一般の方々にも公開されています。今回は副館長の福田竜さんに、さまざまな文化発信の「場」としての魅力についてお話を伺いました。

Profile 福田竜 Ryu Fukuda

副館長を務めながら、会館営業セクションマネージャーも兼任。さまざまなイベント企画やコラボレーションに携わる。明日館を後世に残すために保存の取組みを推進する一方、結婚式場やイベント会場としても利活用する道を模索している。

文化財のなかで、まちの文化財を学ぶ——。

そんなワクワクするような取り組みが存在することを知っていますか?
池袋駅からわずか10分の場所にある、国の重要文化財・自由学園明日館は、としまの街の文化財に関する展示のほかに、子ども向けのお天気学校や画家のアトリエ道具の展示など、さまざまなイベントを開催する「場」となっています。コロナ禍においては、ちょっとしたおでかけとして都内から訪れる方が増えたのだとか。

福田 「桜見学会や一晩だけのビアテラスなど、明日館で主催するイベントもあれば、持ち込み企画への貸し出しなど幅広く対応しています。この場所がさまざまな事柄に対して興味を持つきっかけになると嬉しいですね」
2021年は、明日館の創立100周年のアニバーサリーイヤー。これまで試行錯誤を繰り返しながら施設を保持してきましたが、現在の運営スタイルに落ち着くまでにはさまざまな苦労があったようです。

福田 「創立してから80年は、学園の内部施設だったのですが、文化財の指定を受けて2001年から一般にも公開するようになりました。文化財をさまざまなイベントの『場』として貸し出しする試みはあまり事例がなく、都度より良い方法を模索しながら対応していました」

試みを続けるなかで徐々にノウハウが貯まり、「保存」と「活用」の良いバランスが見えてきたのだと語る福田さん。2021年12月には、豊島区と連携してSDGsの普及啓発イベントを開催しました。
重要文化財を起点とした、まち全体の活性化にも期待が高まります。
今後も街や社会の状況を考慮しながら、多くの人に楽しんでもらえる企画を検討しているそうです。

福田 「コロナ禍にあってこそ、意味のあることをやりたいと話をしています。こういった社会状況の中で、我慢を強いられている子どもたちに喜んでもらえるイベントも是非開催したいです」

ウォーカブルなまちづくりを通し、より人が「動く」まちに変化しているとしま。これからもとしまの歴史と共に、自由学園明日館の歴史も着実に刻まれていくことでしょう。
 
 

NEWS

施設利用のほか、各種イベント企画中!

自由学園明日館では、季節ごと、そしてテーマごとのさまざまなイベントを開催しています。
ぜひ、としまのまちを歩いて訪れ、その文化の風を感じてください。

関連するSDGs

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