メタバースで体験する「仮想病院」とは? 100年時代を元気に暮らす 豊島区高齢者クラブ連合会

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メタバースで体験する「仮想病院」とは?100年時代を元気に暮らす豊島区高齢者クラブ連合会 2023.09.26

OVERTURE

豊島区在住の60歳前後以上の方々が集まる、「豊島区高齢者クラブ連合会」。約4,300名が所属する当クラブにある8地区の指導者向け講習会が開催されました。今回のテーマは「仮想空間の病院」。メタバース空間における医療の在り方と活用について講演と体験会が開かれました。イベントと高齢者クラブの活動について会長の外山さんにお話を伺いました。

Profile 外山 克己 Katsumi TOYAMA

2017年より豊島区高齢者クラブ第13代目会長を務める。「豊島区に元気な高齢者を増やす」ことを目的に、高齢者クラブではさまざまな取り組みを行っている。50年以上豊島区に住み、まちの変化を見守ってきた。特に変化が印象的だと感じるのは池袋西口公園(グローバルリング)。

 
豊島区は、日本の市区町村のなかでも人口密度が最上位レベルであり、一人暮らしの高齢者の割合も高い自治体です。そんな豊島区では「日本一高齢者にやさしいまち」を目指してまちづくりを行っています。

豊島区高齢者クラブ連合会は、イキイキとした元気なまちの高齢者の皆さんが集まります。年間20件近くのイベントを自主的に企画・運営しており、東京パラリンピックで有名になった「ボッチャ」や「輪投げ」のほか、「芸能まつり」「作品展」など健康やや文化を意識したさまざまなイベント・活動を行っています。

外山 「所属している会員の皆さんは平均80歳くらいですが、会員でない60~70歳ぐらいの方は、まだまだ働いている方も多いです。時代の変化なども踏まえて、各地区の指導者に対して指導者講習会を行っています。これまでも関心が高い、フレイルや認知症をテーマとした講習会なども行ってきました」

 今回の講演の主題は、健やかな暮らしに欠かせない「医療」。順天堂大学とIBMが共同で開発を進める、仮想空間における病院「順天堂バーチャルホスピタル」についての講演が行われました。
  • 3D空間に本物そっくりに再現されたバーチャルホスピタル。アバターを操作し自由に探索することが可能

  • 3D治療解説動画。どのような治療を受けるのか事前に確認すること患者の不安軽減に

  • 面会アプリではチャットを活用した会話を行うことも

 
クラブ参加者たちはデモンストレーションに釘付け。講演の後には、日本IBM株式会社の協力のもと、体験会を開催。体験会後には素朴な疑問から、前向きに発展を期待する声まで数多くの声が寄せられていました。

「病院内を歩いて回るのがしんどいため、移動がなくて楽だと感じた」
「複雑な治療方法について、動画で説明されることで頭に入りやすかった」
「操作が難しいとも感じるが、ゲーム感覚で面白い」「もっと制度が整って、実際の医療に活かせるようになってほしい」
 
バーチャルホスピタルは引き続き開発段階ではありますが、利用者の意見を踏まえたさらなる充実化が期待されます。

外山 「今回のように会場で体験してもらう形式の講習会は今回がはじめて。一人でも元気に暮らしていける高齢者の方が多いまちになっていけるといいなと思います」

変わりゆくまちの礎を作り上げてきたクラブのみなさん。現代の最新技術に積極的に関わっていく姿勢が印象的なイベントとなりました。

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